子育て応援ひろばすかりぶ

“子育て応援ひろば すかりぶ”は、「体験しながら学ぶ」情報を発信し、
横須賀で子育てをする皆さんをまちぐるみで応援します。

夜泣き:ボクが泣くのは、ママが悪いんじゃない(医長が教える子どもの健康 2019年9月号)

夜泣きの原因

 睡眠リズムデータよれば、赤ちゃん(胎児)がママのお腹にいる時、昼より夜によく目を覚ましています。胎児もママと同様に、酸素が必要です。ヒトは活動量の多い昼間に、より多く酸素を消費します。ママが寝る夜に、胎児が目を覚まして酸素を使うのは、ママの体を守ることでもあるのです。その睡眠リズムのまま、赤ちゃんが産まれてしまうため、夜泣きの原因となります。決して、ママの育て方が悪い訳ではありません。また、ヒトは夜泣きをする唯一の動物です。2足歩行の獲得が、ヒトの産道を狭くし、頭(脳)が成熟(大きくなる)前に、出産する必然性があります。すなわち、脳が未熟で、環境に適応出来ず、夜泣きとなってしまうのです。

太古の子育て

 女性ホルモンの一つのエストロゲン。妊娠中に分泌量が増える一方、出産後急激に分泌量が減少します。このエストロゲンの欠乏で、脳内では不安と孤独が強く発生するのです。例えば、同様にエストロゲンが欠乏する更年期は、精神的不安定になります。ヒトに近いチンパンジーは、5年間つきっきりで子育てをするのです。ところが、ヒトは子育てをしながらも、次々と子供が産めるよう進化しました。それを可能にしたのは、共同養育です。太古からの狩猟採集生活を続ける、アフリカ奥地の部族では、生後数ヶ月の赤ちゃんを持つママも、我が子を仲間に預けて働きに出掛けます。ママがいない間、他の仲間があやし、おっぱいを求めて泣けば、他のママが母乳をあげるのです。核家族主流の子育てでは、ママはエストロゲンの欠乏で、尚、強い不安と孤独を感じ易くなります。

イライラの原因がオキシトシン?

 産後のママは、育児へのパパの非協力態度や、おぼつかない赤ちゃんの扱い方にイライラしてしまいがちです。原因はオキシトシンという、ホルモンだと言われています。オキシトシンは、子宮を収縮させて陣痛を促し、授乳の際には、乳腺を収縮させミルクを出させるのです。さらに重要な働きは、赤ちゃんやパパへの愛しさを発生させます。しかし、一方でその裏の働きは、赤ちゃんを守るため、攻撃性を高めてしまうことがわかって来ました。平成23年度の厚生労働省・母子家庭調査によると、末子産後2年間が、最も離婚率が高く、末子産後全体の約3割。5年間なら半数を超えるのです。

話すは悩みを、はなす(離す)

 授乳期、全日のストレスの強弱をモニターすると、ママは常時、ストレス過度状態なのです。でも、ストレスが落ち着く時間帯が、2つだけあります。それは授乳中と、パパと赤ちゃんの話をしている時です。「悩み」でダウンしてしまう人は、何をしていいのかわからず、不安や苦しみを潜在意識下に抱え続けています。打ち明けることで頭の中が整理され、自分自身でその解決法を見付けることもあり得るのです。他にも、言葉からイメージされる感情を吐き出せ、ストレス発散になります。もし、話相手に共感してもらえるなら、孤独感が減るのです。ここで話相手に、大前提が存在します。それは、話相手があなたの心に寄り添い、あるがままにあなたを受け入れ、一人の人間としてあなたを尊重してくれることです。横須賀市では、下記の電話相談窓口があります。まずは、話すことで孤独の殻を打ち破る、手掛かりを得ましょう。
 ・こども健康課    電話046-822-4816
 ・中央健康福祉センター電話046-824-7632
 ・北健康福祉センター 電話046-861-4118
 ・南健康福祉センター 電話046-836-1511
 ・西健康福祉センター 電話046-856-0719